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キャラが立ちまくりの三重奏! 映画『グッド・バッド・ウィアード』ネタバレ感想

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何これ?超楽しい〜!!

「死ぬまでに観たい映画1001本」掲載作品制覇を目標に“ゆるふわな”ペースで映画を観続けていて。
本作もその流れで、何の前情報も無しに観たんですが、底抜けに楽しい超高品質なエンターテイメント作品です、これ!
上映時間129分とやや長めの映画ではあるんですが、物語のテンポも良いし、アクションなどの画面のバリエーションも豊富で、まったく飽きさせない映画でした。
「死ぬまでに観たい映画1001本」という書籍は、アジア圏の映画の取り扱いが非常に少ないんですが、そこで選ばれる作品だけあって、他の洋画勢の中に並べて“頭一つ抜けてる”と言っても言い過ぎではないくらいに楽しい映画でした。

作品概要

2008/韓国 上映時間:129分 PG12
原題:The Good, the Bad, the Weird
配給:CJ ENTERTAINENT、ショウゲート
監督:キム・ジウン
出演:ソン・ガンホ、イ・ビョンホン、チョン・ウソン

<あらすじ>
日本による朝鮮統治が行われていた1930年代。満州(現在の中国東北地方)の荒野を舞台に、金のためなら手段を選ばない凄腕の賞金稼ぎ、プライドの高い冷酷なギャングのボス、間抜けだがしたたかなコソ泥の3人が、日本軍の残した1枚の宝の地図をめぐって争奪戦を始める。

感想

80 100点満点 scored by ultimate-ezグッド・バッド・ウィアード

というわけで、一言で言えば「超たのしい!映画」だった本作『グッド・バッド・ウィアード』。
タイトルから『続 夕陽のガンマン(原題:The Good, the Bad and the Ugly)』のリメイク的な扱いの作品なのかと思い、ちょっと身構えてしまいましたが(『続・夕陽のガンマン』はだいぶ前に観たことはあるんですが、正直ほとんど内容を覚えてなくって。。。)「タイトルをパロって西部劇感出してみました!」くらいのニュアンスだったのでそこは一安心。
“満州ウエスタン”というジャンルも初めてでしたが、そこに関しての知識も全く不要で。
映画リテラシーに左右されることなく、純粋に単体の作品として存分に楽しめる映画でした。

タイトルにもなっているように、本作は三人の男たちが主役の物語。
その三人がそれぞれに超魅力的です。

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“The Good”のチョン・ウソンは、とにかくアクションがキレキレ。
長い手足は画面に映えるし、空中を自在に飛び回るアクションはカメラワークも斬新で超かっこいい!
銃身が長いショットガンを愛用しているんですが、馬に乗りながら銃をクルクル回す様も超イケメンです。

The Goodと言えば、『続・夕陽のガンマン』ではプライベートでも超かっこいいThe・男の憧れクリント・イーストウッドが演じているわけで。
同じ“The Good”の名を冠するのはかなりハードルが高いことだと思いますが、勝るとも劣らない超正統派イケメンな“The Good”をきっちりと成立させているんじゃないでしょうか。

また、作中でソン・ガンホと語り合う最中、結局語らずじまいで終わってしまうチョン・ウソンが賞金稼ぎをする理由と、その先にある“夢”。
この扱いも非常に巧いんですよ。
正直、ほかの二人のアクが強すぎるので、正統派キャラは印象として弱くなってしまいそうなものですが、この“語らずじまいの夢”があるおかげでチョン・ウソンのキャラクターには他の二人にはない強い余韻が残り、映画を思い返した時に三人が三人ともしっかりと記憶に残っていて。
このバランスが本当に巧い映画だと思います。

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続くThe Badのイ・ビョンホン。
これはもう、佇まいの“ヤバさ”が凄すぎます。
全身から発せられる“狂気”のオーラーは、あれは一体なんなんでしょうか。
ほとんど“奇怪”と形容してもいいほどに絞り込まれたあの肉体も含め、とにかく纏っている空気が異常です。
あの時代、あの場所に、あんな服装であんな髪型の奴がいるわけがないんですが、それもまたあの世界における彼の異質さを表わしていて。
リアリティーを追究した世界に突如現れた“悪魔”である『ダークナイト』のジョーカー級の存在感、と言うとちょっと言い過ぎかもしれませんが、それに近いものを感じました。

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そして、第3の男「The Weird」のソン・ガンホ。
『続・夕陽のガンマン(The Good, the Bad and the Ugly)』との差別化がされているキャラクターだけあって、彼こそがこの映画の世界観の象徴と言ってもいいのかもしれません。
サモ・ハン・キンポーを髣髴とさせるコミカルなアクションシーンが楽しいし、何より「いい顔してる!」としか表現しようのないあの面構えがたまりません。

それでいて、最後には実はイ・ビョンホンにトラウマを植え付けた最恐キャラだったっていう展開も衝撃的!
まあ、さすがに伏線なさすぎと言いますか、ソン・ガンホのキャラクターに一貫性が無さすぎる気はするんですが、我が国日本には『北斗の拳』というマンガがありまして。
その中に登場するキャラクターに、昔は残虐で極悪非道で北斗神拳の道場破りにすら成功していながら、今は気のいいおっさんとして過ごしている“山のフドウ”という男がいまして。
ソン・ガンホの顔がちょっとだけ山のフドウに似ていることから、このキャラクターの変遷もギリギリ違和感なく受け入れることができてしまいました。

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というわけで、思い返してみても三人が三人とも非常に魅力的なのがこの映画。
この三人が、日本軍が残した宝の地図を巡る争奪戦を繰り広げるんですが、さらにそこに朝鮮統治を行っている日本軍なんかも参戦してきて。
とにかく展開が豊かで、飽きない作品でした。

本作における日本軍の書き方自体は決して悪意や偏見があるわけではないんですが、やはり韓国が描く日本軍の姿ということで、昨今のご時世だとこの映画にすら何かしら思うところがある人も出てきそうな作品ではあるんですが、、、
そういうバイアスをかけずに、純粋に派手で楽しいエンターテイメント“フィクション”映画として観たい映画として(前置き長いな)、確かに死ぬまでに観たい映画の1本も納得の作品でした。

小難しい映画から、こういうTHEエンターテイメント映画まで、「死ぬまでに観たい映画1001本」の網羅っぷり、やっぱり素晴らしい!


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